腰部脊柱管狭窄症について

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 腰部脊柱管狭窄症は、加齢による変性で脊柱管が狭くなり、神経を圧迫する疾患です。主に中高年に多く見られ、症状は腰や脚の痛み、間欠性跛行などです。治療は保存療法と手術療法があり、予防には適正体重の維持や筋力トレーニングが重要です。

何が起きてるの?

 腰部脊柱管狭窄症は、加齢に伴う変性により脊柱管が狭くなり、神経が圧迫される疾患です。主に中高年に多く見られ、特に60歳以上の方に発症しやすい傾向があります。脊柱管は背骨、椎間板、関節、靭帯などで囲まれた脊髄神経が通るトンネルであり、加齢や過度な負荷により変形した椎間板、背骨や関節から突出した骨などにより、神経が圧迫されます。

 主な症状は、腰の痛みと脚の痛みやしびれです。また、特徴的な症状として間欠性跛行が挙げられます。これは、少し歩くと臀部や太ももに痛みやしびれが生じ、休憩すると症状が和らぐものの、再び歩き始めると症状が再発する状態です。症状が進行すると、下半身の筋力低下や、膀胱直腸障害を伴うこともあります。また、腰部脊柱管狭窄症を患っている方の約1/3に抑うつ傾向があり、精神的QOLも低下することがあります。

  治療はまず消炎鎮痛剤の服用や、ブロック注射などの保存療法から始めます。また、リハビリテーションとして腰部の筋力トレーニングやストレッチなどが行われ、痛みの軽減と機能回復を目指します。

 保存療法で症状が改善しない場合や、日常生活に支障をきたす程度の痛みがある場合には、手術療法が検討されます。手術では可能な限り、筋肉など背骨を支える組織を痛めないように注意しながら脊髄神経の圧迫を除去します。手術後は、リハビリテーションが重要で、徐々に日常生活に復帰します。

 腰部脊柱管狭窄症に対する明確な予防法は確立されていませんが、一般的な腰痛予防が有効とされています。具体的には、適正体重を維持すること、腹筋や背筋など腰を支える筋力を維持すること、正しい姿勢を心がけること、適度な運動を行うことなどが挙げられます。また、重い物を持ち上げる際は膝を曲げてしゃがむなど、腰への負担を軽減する動作を心がけることも大切です。日常生活での注意と適切な運動習慣の維持が、腰部脊柱管狭窄症の予防と症状の悪化防止につながります。

当院にご相談ください

 当院ではできるだけ手術療法を避け、リハビリテーションを中心とした保存療法を行っています。また、手術後のリハビリテーションを行うこともできます。腰の痛みやしびれ、不安がある場合は、当院にご相談ください。

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岩政 亮平

理学療法士
日本臨床徒手医学協会認定セラピスト
ピラティスインストラクター