変形性腰椎症について

変形性腰椎症

 変形性腰椎症は、腰椎や椎間板が変性し、腰痛や神経症状を引き起こす疾患で、中高年の女性に多く見られます。症状は腰痛や脚のしびれで、治療は保存療法と手術療法があり、予防には適切な運動と体重管理が重要です。早期の診断と適切な治療が求められます。

なぜ変形する?

 変形性腰椎症は、腰椎や椎間板が加齢や過度の負荷により変性し、腰痛や神経症状を引き起こす疾患です。特に中高年に多く見られ、男性よりも女性に多い傾向があります。背骨のクッションである椎間板の水分が減少し、弾力性が失われることで椎骨同士が直接接触し、骨棘(骨の突起)が形成されることが主な原因です。

 主な症状は、腰痛と脚の痛みやしびれです。初期症状としては、腰の鈍い痛みやこわばりなどが挙げられます。進行すると、腰痛が強くなり、長時間の立位や歩行が困難になることがあります。また、神経の通り道が狭くなり、脚に痛みやしびれが生じることもあります。

 治療は、症状の程度や生活スタイルに応じて、保存療法と手術療法の2つの選択肢があります。保存療法には、痛みを軽減するために消炎鎮痛剤の服用や湿布の使用などの薬物療法があります。また、リハビリテーションとして腰部の筋力トレーニングやストレッチなどが行われ、痛みの軽減と機能回復を目指します。痛みが強い時はコルセットの装着も有効で、腰部の安定性を高める効果があります。

 保存療法で症状が改善しない場合や、日常生活に支障をきたす程度の痛みがある場合には、手術療法が検討されます。神経の圧迫を解除する除圧術や、ずれた椎骨を固定する固定術などがあり、患者の状態に応じて適切な手術法が選択されます。手術後は、リハビリテーションが重要で、徐々に日常生活に復帰します。

 変形性腰椎症の予防には、日常生活での注意と適切な運動が重要です。肥満は腰椎への負担を増加させるため、適正体重の維持が大切です。また、腰を支える筋肉である腹筋や背筋を鍛えることが効果的です。ウォーキングや水泳などの適度な有酸素運動も推奨されますが、腰に負担がかかりすぎないよう注意が必要です。日常生活では、重い物を持ち上げる際は膝を曲げてしゃがむなど、腰への負担を軽減する動作を心がけることも大切です。

当院にご相談ください 

 当院ではできるだけ手術療法を避け、リハビリテーションを中心とした保存療法を行っています。また、手術後のリハビリテーションを行うこともできます。腰の痛みやしびれ、不安がある場合は、当院にご相談ください。

この記事を書いた人

岩政 亮平