野球肩について

 野球肩は、投球動作などによる肩関節への過度の負担が原因で発生する障害の総称です。主に成長期の選手に多く見られ、肩関節周囲の組織に炎症や損傷が生じます。主な原因は適切なフォームで投げられていないことです。発症しやすい年齢は15・16歳がピークとされており、早期発見と適切な対処が重要です。

 主な症状は、投球時の肩の痛みや違和感です。症状の程度は個人差が大きく、軽度のものから投球が困難になる重度のものまであります。

 野球肩の治療は、症状の程度や原因に応じて選択され、保存療法と手術療法の2つの選択肢があります。保存療法では、まず症状に応じて投球を中止したり制限したりします。また、リハビリテーションとして適切な投球フォームを獲得するために、肩の周りだけではなく、股関節など下半身の柔軟性を改善したり、筋力トレーニングを行ったりします。

 保存療法で症状が改善しない場合や、重度の損傷がある場合には手術が検討されます。手術は関節鏡を用いて行われ、手術後はリハビリテーションを行い、徐々にスポーツ活動に復帰します。

 野球肩の予防には、適切な投球フォームの習得と過度の使用を避けることが重要です。また、肩の周りだけでなく股関節など下半身の柔軟性を保つことや、メディカルチェックを受けることで野球肩のリスクを軽減することができます。選手、指導者、保護者が協力して、適切な予防策を講じることが重要です。

 当院ではリハビリテーションを中心とした保存療法を行っており、適切なフォームを指導することもできます。肩の痛みや不安がある場合は、当院にご相談ください。

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