腰椎分離症について

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 腰椎分離症は、腰椎の椎弓部分が疲労骨折する、特に成長期のスポーツ選手に多く見られる疾患です。症状は腰痛や脚のしびれで、治療は保存療法と手術療法があります。予防には適切なスポーツ動作と柔軟性の維持が重要です。

どんな動きで発症する?

 腰椎分離症は、腰椎後方の椎弓部分が疲労骨折し、骨が分離する疾患で、特に成長期のスポーツ選手に多く見られます。上から5番目の腰椎に発生しやすく、ジャンプや身体を捻る動作が原因となることが多いです。進行すると、分離した腰椎が前方にずれる「分離すべり症」に進行することもあります。

 主な症状は、腰痛と脚の痛みやしびれです。初期には、腰を反らしたときに狭い範囲に限られた痛みを感じることが多いです。進行すると、腰痛が強くなり、長時間の立位や歩行が困難になることがあります。また、分離すべり症になると神経が圧迫され、下肢に痛みやしびれが生じることもあります。特に、腰を反らせると症状が悪化し、前かがみになると症状が軽減することが特徴です。

 治療は、症状の程度や生活スタイルに応じて、保存療法と手術療法の2つの選択肢があります。保存療法では、まずスポーツ活動を中止し、コルセットを装着することで腰への負担を軽減します。消炎鎮痛剤の服用などの薬物療法を行うこともあります。また、リハビリテーションとして、腰部の筋力トレーニングや下半身のストレッチが行われ、痛みの軽減と機能回復を目指します。特に、早期の段階で適切な治療を行うことで、骨折部分が癒合する可能性が高まります。

 保存療法で症状が改善しない場合や、日常生活に支障をきたす程度の痛みがある場合には、手術療法が検討されます。手術療法には、金属プレートやスクリューを用いて分離部分を固定する固定術や、神経の圧迫を解除するために骨や靭帯を削る除圧術があります。手術後は、リハビリテーションが重要で、徐々にスポーツ活動に復帰します。

 腰椎分離症の予防には、適切なスポーツ動作の獲得と下半身の柔軟性を保つことが重要です。特に身体を捻ることの多い野球のピッチャーやジャンプ動作の多いバレーボール選手は注意が必要です。また、成長期のスポーツ選手は腰痛があったら整形外科を受診し、早期発見・早期治療することも重要です。

当院にご相談ください

 当院ではできるだけ手術療法を避け、リハビリテーションを中心とした保存療法を行っています。また、手術後のリハビリテーションを行うこともできます。腰の痛みや不安がある場合は、当院にご相談ください。

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この記事を書いた人

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岩政 亮平

理学療法士
日本臨床徒手医学協会認定セラピスト
ピラティスインストラクター