岩政 亮平 
10秒まとめ
脊椎圧迫骨折は、椎骨が圧迫されて潰れる骨折で、特に高齢者に多く見られます。症状は痛みや機能障害で、治療は保存療法と手術療法があります。予防には骨粗しょう症の管理と適切な運動が重要です。
いつの間にか…
脊椎圧迫骨折は、背骨である椎骨が圧迫されて潰れる骨折です。特に高齢者に多く見られ、骨粗しょう症が主な原因です。脊椎圧迫骨折は、尻もちをつく、重い物を持ち上げるなど小さな外力生じることが多く、「いつの間にか骨折」とも呼ばれています。胸椎と腰椎の移行部（胸腰椎移行部）に発生しやすいと言われています。
どんな症状が現れる？
主な症状は、骨折部位の痛みと機能障害です。症状の程度は個人差が大きく、日常生活に支障をきたすほどの強い痛みが出ることもあれば、ほとんど症状がなく気が付かないこともあります。また、圧迫骨折した部分が変形し、背中が丸くなったり、身長が縮んだりすることもあります。
どんな治療法があるの？
治療は、骨折の部位や程度、年齢や全身状態に応じて選択され、保存療法と手術療法の2つの選択肢があります。保存療法ではまず、コルセットを装着し、安静にすることで骨折が悪化しないようにします。また、痛みを軽減するために消炎鎮痛剤の服用や湿布の使用などの薬物療法が行われます。骨折治癒後はリハビリテーションとして筋力トレーニングやストレッチを行い、低下した身体機能を取り戻していきます。
保存療法で症状が改善しない場合や骨折の程度によっては手術が検討されます。代表的な手術に骨セメントを椎体内に注入し、骨折部位を安定させるものがあります。手術後は、リハビリテーションを行い、徐々に日常生活に復帰します。
どうすれば予防できる？
脊椎圧迫骨折の予防には、骨粗しょう症の予防と適切な運動による身体機能の維持が重要です。特に高齢者は転倒して尻もちをついたり、椅子に座る時に勢いよく座ったりしないように注意しましょう。
当院にご相談ください
当院では薬物療法や装具により保存療法だけでなく、骨折治癒後のリハビリテーションも行っています。また、全身骨密度検査機があり、検査をすることで骨粗しょう症の早期発見・早期治療を行うことができます。腰の痛みや不安がある場合は当院にご相談ください。