10秒まとめ
肩腱板損傷は、肩関節を安定させる筋肉が損傷する疾患で、中高年に多く見られます。症状は肩の痛みや動きの制限で、治療は保存療法と手術療法があります。予防には筋肉のトレーニングとストレッチが重要です。
肩腱板ってなに?
肩腱板損傷は、腱板と呼ばれる肩関節を安定させる4つの筋肉(棘上筋、棘下筋、肩甲下筋、小円筋)が損傷する疾患です。特に中高年に多く見られ、スポーツや転倒などの外傷、または加齢による変性が主な原因です。腱板は肩の前、上、後ろに位置し、肩を自由に動かす役割を担っています。損傷が進行すると、肩の機能が著しく低下し、日常生活に支障をきたすことがあります。
どんな症状が現れる?
主な症状は、肩を動かす時や夜中などの肩の痛みと力の入りにくさによる関節の動きの制限です。主に肩を動かす時に痛みを感じたり、「ゴリゴリ」という音がしたりすることがあります。これらの症状は、損傷の程度や部位によって異なりますが、放置すると症状が悪化することが多いです。
どんな治療法があるの?
治療は、症状の程度や生活スタイルに応じて、保存療法と手術療法の2つの選択肢があります。保存療法には痛みを軽減するために消炎鎮痛剤の服用やヒアルロン酸注射などの薬物療法があります。また、リハビリテーションとして、肩周りのトレーニングやストレッチが行われ、痛みの軽減と機能回復を目指します。日常生活で肩に負担がかからないような姿勢をとることも重要です。
保存療法で症状が改善しない場合や、日常生活に支障をきたす程度の痛みがある場合には、手術療法が検討されます。代表的な手術に関節鏡を用いた腱板の修復術があります。関節鏡を用いた手術は傷が小さく、術後の痛みが少ないため普及していますが、大きな断裂では直視下手術が選択されることがあります。手術後は、リハビリテーションを行い、徐々に日常生活に復帰します。
どうすれば予防できる?
肩腱板損傷の予防には、肩周囲の筋肉のトレーニング、肩甲骨の動きや胸郭の動きをよくするためのストレッチ、デスクワークをする際には肩を動かす時間を作ることなどが挙げられます。また、スポーツ活動前のウォーミングアップやクールダウンでも怪我のリスクを減少させることができます。これらにより加齢による腱板の変性を遅らせ、肩腱板損傷のリスクを減少させることができます。
当院にご相談ください
当院ではできるだけ手術療法を避け、リハビリテーションを中心とした保存療法を行っています。また、手術後のリハビリテーションを行うこともできます。肩の痛みや動かしにくさ、不安がある場合は、当院にご相談ください。