10秒まとめ
変形性膝関節症は、膝の軟骨がすり減ることで起こる疾患で、中高年の女性に多く見られます。症状は痛みやこわばり、腫れなどで、治療は保存療法(薬物療法やリハビリ)から始まり、進行に応じて手術が検討されます。予防には適切な運動と体重管理が重要です。
どんな疾患なの?
変形性膝関節症は、膝関節の軟骨がすり減ることで起こる代表的な関節疾患です。主に中高年に多く見られ、特に女性に発症しやすい傾向があります。膝関節のクッションの役割を果たす軟骨が徐々に摩耗し、骨と骨が直接こすれ合うことで痛みや炎症が生じます。加齢や肥満、過度の運動負荷などが主な原因とされており、一度すり減った軟骨は元に戻らないため、早期発見と適切な対策が重要です。
どんな症状が現れる?
症状は、進行度によって異なります。初期には立ち上がりや歩き始めに膝の痛みやこわばりを感じることがあります。中期になると、階段の昇り降りや正座が難しくなり、膝に水がたまって腫れることもあります。末期には、慢性的な痛みが続き、膝関節の変形が進行して歩くのが難しくなることがあります。また、関節の動きが制限され、膝を完全に伸ばしたり曲げたりすることが難しくなります。
どんな治療法がある?
治療は、症状の程度に応じて選択されます。初期から中期の治療では、主に保存療法が行われます。具体的には、消炎鎮痛剤の服用や湿布の使用、ヒアルロン酸注射などの薬物療法があります。また、リハビリテーションとして、膝周囲の筋力トレーニングやストレッチなどにより痛みの軽減と機能回復を目指します。肥満は膝への負担を増加させるため、体重管理も重要です。
症状が進行した場合は、手術療法が検討されます。代表的な手術として、人工膝関節置換術があります。この手術では、損傷した関節表面を人工の部品に置き換えることで、痛みを軽減し関節機能を改善します。手術後は、リハビリテーションを行い、徐々に日常生活に復帰します。
どうすれば予防できる?
変形性膝関節症の予防には、日常生活での注意と適切な運動が重要です。肥満は膝関節への負担を増加させてしまうので適正体重の維持が大切です。また、膝を支える筋肉、特に太ももの筋肉(大腿四頭筋)を鍛えることが効果的です。水中ウォーキングや自転車漕ぎなど、膝への負担の少ない有酸素運動も推奨されます。日常生活では、正座や和式トイレの使用を避け、階段の昇降時には手すりを使用するなど、膝への負担を軽減する工夫が大切です。
当院にご相談ください
当院ではできるだけ手術療法を避け、リハビリテーションを中心とした保存療法を行っています。また、手術後のリハビリテーションを行うこともできます。膝の痛みや違和感、不安がある場合は、当院にご相談ください。